胃は、縦・横・斜めに伸びたり縮んだりする三層の筋肉で構成されています。し
かも、この筋肉は意識をして動かすことはできません。食事をすると、この筋肉
が引き伸ばされて、その刺激は神経を通じて脳に伝わり、私たちは(お腹がいっ
ぱい)という満腹感を感じるのです。
これとは逆に、井の中が空っぽになると、今度はの筋肉が神経を通じて空腹を
伝え、お腹が空いたと感じるのです。
栄養素を含んだ食物を摂取すると、胃腸で吸収されて、最終的には細胞の活動に
使われます。この栄養素が使い尽くされてしまうと、(お腹が空いた)となり、
次の食事をとるわけです。(吸収するものが無くなったぞとなるわけですね)
ところが、空腹感は胃だけが感じているのではありません。
栄養素の流れを見てみると、栄養素が一時的に貯蓄される場所は、胃と肝臓の二
か所です。
脳は、胃と肝臓の栄養素の貯蓄状態を感知して、お腹が空いたと判断しているの
です。肝臓が(お腹が空いた)と感じるのはどうなっているでしょう?
食事でとった炭水化物は、小腸でブドウ糖に分解されて血液中に放出されます。
血液中のブドウ糖濃度(血糖値)を一定に保つために、余分なブドウ糖は肝臓で
グリコーゲンに変えられて貯蔵されていきます。スポーツに応用すると、この働
きはすごく早いですし、カラダを動かすにはグリコーゲンが必要になってきま
す。試合の直前にスーパーで売っているようなブドウ糖の欠片を舐めるだけで、
ゼリーやバナナよりも早くエネルギーになってくれるのです。
そして、血糖値が低くなると、肝臓からグリコーゲンをブドウ糖に変化させエネ
ルギーとして、血液中に放出するのです。
特に脳の神経細胞はブドウ糖に頼って活動しているため、血糖値の変化にはとて
も敏感です。そこで、血糖値が低くなると、脳が(空腹を感じる)のです。
試験前にチョコレートをとると集中力が増すという原理はこのことです。
糖分を取りすぎる事は良くないですが、脳やカラダを動かすためにはある程度は
必要になってくるという事です。